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【鉄道会社への就職】「強み」をどうアピールするか?(6)

今回も、就職活動の記事です。「就職活動で自分の強みをどうアピールするか?」に悩んでいる鉄道志望の学生さん、そんな人向けの記事第6弾。

また、悪い意味での集団主義に陥りがちな日本人への警鐘も含めた記事です。社会人の方の参考にもなるかと思います。

鉄道会社に「強み」をアピールするための基礎知識

まずは、鉄道会社に強みをアピールするための基礎知識を、カンタンにまとめておきます。

強みとは、「相手が求めるもの」とマッチして初めて意味があります。たとえば、160㎞/hの豪速球が投げられるとしても、それは鉄道会社が社員に求めるスキルとは合致しないので、強みとしてアピールしても無意味です。

では、鉄道会社が社員に求めるものとは何か? それはやはり、安全を守れることです。

現役鉄道マンである私が考える「安全を守れる人」とは、以下の通りです。

  • ラクな方向に流されない人
  • 厳しい指導にも負けない打たれ強い人
  • 上司や先輩にも物怖じせず意見を言える人
  • 同調圧力に屈しない人
  • 人の言うことを鵜呑みにしない人
  • わかりやすい説明ができる人
  • 「他山の石」を活用できる人

今回の記事では、「同調圧力に屈しない人」の説明をします。

信楽高原鉄道での正面衝突事故

「そんなの間違ってるでしょ」と思いつつも、場の同調圧力に抗えず、NOと言えなかった……。読者のみなさんも、一度はそんな経験があるのではないでしょうか。

1991(平成3)年の信楽高原鉄道の正面衝突事故も、そんな同調圧力が原因で引き起こされた事故といえます。

正面衝突の直接的な原因は、「閉そく」というルールを破ったこと。

このとき、信楽高原鉄道では信号機の故障が発生していました。信号機とは、列車同士がぶつからないように安全を確保するための装置。それが故障したのであれば、他の安全確保の手段を講じなければいけません。

ところが、このとき信楽高原鉄道では、代替の安全確保手段を採らないまま、列車を発車させてしまいました。つまり、列車同士がぶつからないという「安全な状態」を作らないまま、列車を走らせたわけ。

その結果が、列車の正面衝突で死者42人という大惨事です。

「ルールに違反している」と認識しながら作業を続けた?

ようするに「ルールを守らなかったこと」が事故原因なのですが、なぜそんなことになったのか?

この事故でのルール違反は、かなり明白なもので、たとえて言うならば、赤信号なのに堂々と道路を横断するくらいのレベル。信楽高原鉄道の社員が「ルール違反だと知らなかった」という事態はありえません。

となると、関係社員全員が「いまルールを破っている」「間違った取扱いをしている」と認識していたでしょう。当然、「えっ、これってマズいんじゃないの?」と思った社員もいたはずです。

しかし結局、間違った取扱いが“通って”しまい、事故になった。

ルールを守る人間の方が間違いかのような雰囲気

なぜ、間違っていると知りながら、「これはマズいでしょ」と誰も声を上げられなかったのか?

そのあたりの分析や考察はいろいろされています。

信号機故障で列車が止まってしまい、早く運転再開させなきゃというプレッシャー。上司の意向には逆らえない、昭和的な悪しき上下関係。たぶん事故にはならないだろうという根拠のない予測。

こういった要素が絡まり合って、社員の間で「ルールを守らなくても大丈夫じゃない?」という雰囲気が広がり、それが同調圧力となって「マズいでしょ」の声が封じられてしまった。そういう背景があったのだと、私は考えます。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」になってしまい、あたかもルールを守る人間の方が間違いかのような雰囲気になる。これが同調圧力の厄介なところです。

あなたは一対多の状況で「NO!」と言えるか?

傍から見れば、情けない話と思うかもしれません。しかし、自分に置き換えて考えてみてください。

たとえ間違った方向といえど、周りの全員が動き出している。そんな中で、「みんな待って! それは間違ってるぞ!」と声を上げて制止できるでしょうか? 実際、信楽高原鉄道の事故では誰もできなかったわけです。

みなさんは、一対多の状況でも同調圧力に屈せず、必要ならば「NO!」と言える自信があるでしょうか?

「自信がある」と答えた学生さんは、鉄道の安全を守れる人です。↓の文例のようにアピールするのはアリでしょう。

私の強みは、自分が少数派だとしても、臆せずに意見を言えるところです。これは鉄道の安全を守るのに活かせると考えます。
鉄道の安全を守る根拠はルールやマニュアルであって、多数決ではありません。多数派のやり方が間違っていることもありえます。
そんなときに「多数派が言っているから」と臆して何も言えないのでは、安全は守れません。安易な同調傾向に陥らずに、自分の意見を主張できるのが、私の強みです。

グループディスカッションの場面では注意が必要

ただし、このアピールにはリスクもあります。グループディスカッションの場面です。

「少数派に回っても臆せず意見を出せるぜ」とアピールする以上は、そういう“見せ場”を作らないと、言行不一致と評価されてしまう可能性があります。「俺もこの考え方に賛成だなー」と思っても、あえて反対意見を唱えなければいけない場面に出くわすかもしれません。

「これでいいよね?」という雰囲気に逆らうには、根拠となる知識がある程度豊富なことが求められます。けっこう上級者向けなので、無理は禁物でしょう。

さて、最後に……先ほどの「同調圧力に屈しない自信があるか?」の問いですが、私の場合は、めっちゃ自信があります。周囲の人たちによる「私の人間評」は↓の通り。

妻「あなたってホント頑固よねぇー」
母「アンタはもう少し柔軟に人の意見を聞きなさい」
先輩「お前はもうちょっと空気読んだ方がいいよ」
上司「君、ずばずばモノを言うねえ」

こんな感じですから、同調圧力という攻撃、私には効果なしです(笑)

頑固・うるさ型・KYという人間像が見えてきそう(^^;) が、私としては、根拠を用意したうえで、自分が正しいと考えていることを主張しているだけのつもりなんですけどね……。
(根拠もなしにあれこれ言うだけなら、単なる迷惑な人ですが)

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【鉄道会社への就職】「強み」をどうアピールするか?(5)

今回は、就職活動の記事です。「就職活動で自分の強みをどうアピールするか?」に悩んでいる鉄道志望の学生さん、そんな人向けの記事第5弾です。

また、自己アピールのために大切な再現性というキーワードの解説もしますので、学生さんの参考になると思います。

鉄道会社に「強み」をアピールするための基礎知識

まずは、鉄道会社に強みをアピールするための基礎知識を、カンタンにまとめておきます。

強みとは、「相手が求めるもの」とマッチして初めて意味があります。たとえば、160㎞/hの豪速球が投げられるとしても、それは鉄道会社が社員に求めるスキルとは合致しないので、強みとしてアピールしても無意味です。

では、鉄道会社が社員に求めるものとは何か? それはやはり、安全を守れることです。

現役鉄道マンである私が考える「安全を守れる人」とは、以下の通りです。

  • ラクな方向に流されない人
  • 厳しい指導にも負けない打たれ強い人
  • 上司や先輩にも物怖じせず意見を言える人
  • 同調圧力に屈しない人
  • 人の言うことを鵜呑みにしない人
  • わかりやすい説明ができる人
  • 「他山の石」を活用できる人

今回の記事では、「他山の石を活用できる人」の説明をします。

「事故る → 対策を立てる → 安全向上」のループ

鉄道の安全は、「事故と対策の繰り返し」で向上してきました。事故 → 対策 → 安全向上というループですね。

そして、事故は一つの鉄道会社だけではなく、いろいろな鉄道会社で起きます。言い換えると、「ウチの鉄道で事故が起きた」ということはあまりなくて、「他の鉄道会社で事故が起きた」と聞くことが多いわけです。

その際、他会社の事故を「他人事」ではなく「自分事」として捉えること。いわゆる他山の石が、鉄道の安全を向上させるためのカギです。

というのも、一つの会社で発生する事故数は限られています。自社という“中”だけに目を向けていたのでは、「事故 → 対策 → 安全向上」のループがなかなか進みません。他社の事例という“外”にも目を向けることで、ループを増やすことができます。

他社事例を見て「ウチでも同じことは起きる?」と考える

……と書くと難しく感じるかもしれませんが、実際は簡単な話。具体的には、「他の会社で○○の事故が起きたけど、ウチでも同じような事故が起きる可能性はないか?」と考えればOKです。

たとえば、2020(令和2)年6月12日、京成電鉄の青砥駅で、台車の亀裂による(と思われる)脱線事故がありましたよね。台車の亀裂は、京成電鉄だけではなく、どの会社でも起こりえます。

ですから、「ウチの会社でも同じことはありえるな。それなら、全車両を緊急点検しようか」と考える。そこまではやらないにしても、「現行の検査体制に問題はないか?」を確認する。

これが他社の事故事例を活用する正しい姿勢です。

これは「会社レベル」に限った話ではなく、「個人レベル」でも同じこと。「同僚がこういうミスをしたけど、自分にも同じことは起きるかも。再発防止のためには何をすればよいか?」という具合です。こういう思考・行動のできる人が、鉄道の安全を守れる人といえます。

学生でも「他山の石」の思考・行動はできる

以上の話を、学生さんの立場に置き換えてみましょう。たとえば、学業やサークル・バイトの場面で、

「この前のゼミ、○○さんの発表はこういう点が突っ込まれていたな。自分の発表で想定される質問は何だろう」

「他のサークルで不祥事があった。ウチのサークルは大丈夫かな? 対策を立てた方がいいかな」

「今日、バイト先で○○のトラブルがあった。自分ならこういう対策をする」

こんな感じです。

このように、学業やサークル・バイトなどで、他山の石を活用する思考・行動ができていれば、鉄道マンになっても同じように思考・行動してくれると予想できます。つまり再現性が期待でき、鉄道の安全を守れる人になってくれる可能性が高い、というわけです。

これは、強みとしてアピール材料にじゅうぶんなりうると思います。

「再現性」がないことはアピールしても無意味

「他山の石の活用」からは少し話が逸れますが、この再現性というキーワードも大切なので、説明しておきましょう。

会社側は、エントリーシートや面接で、過去(学生時代)の経験をいろいろ聞いてきますが、なぜそんなことをするのでしょうか?

あれは、再現性を探っているのです。逆に言うと、再現性がないことは、いくらアピールしても無意味というわけ。

たとえば、「私は学生将棋の大会で優勝しました!」という結果だけをアピールしてもダメです。なぜかというと、鉄道会社の業務に将棋大会などは存在しないため、再現性が期待できないからです。

もちろん、話の「とっかかり」として結果・実績をアピールするのはよいのですが、そこで話が終わってはダメ。「優勝した」という結果ではなく、そこまでの過程を語ることが大事です。

  • どういう目標設定をしたか
  • その目標を達成するために、何をすることが必要と考えたか
  • どういう計画を立て、どう実行していったか
  • どういう苦労があり、どう工夫して乗り越えたか

将棋の話に置き換えると、

  • 将棋大会で優勝したい
  • 自分の弱点は○○なので、そこを強化しないといけない
  • 毎日、100問の詰め将棋を解くことを己に課した
  • 時間の捻出に苦労したが、スキマ時間の活用を意識してやり遂げた

こういう過程は再現性があります。つまり、将棋から鉄道会社に舞台が変わっても、同じように思考・行動してくれることが期待できるわけ。そういうところが、選考での評価対象(のはず)なのですね。

最後は「他山の石の活用」という話からは逸れてしまいましたが、再現性についても、自己アピールのためには大切なことなので触れました。学生のみなさん、何かの参考になれば幸いです。

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【鉄道会社への就職】「強み」をどうアピールするか?(4)

今回も、就職活動の記事です。「就職活動で自分の強みをどうアピールするか?」に悩んでいる鉄道志望の学生さん、そんな人向けの記事第4弾です。

鉄道会社の「厳しい面」についても書きましたので、参考にしていただけたらと思います。

鉄道会社に「強み」をアピールするための基礎知識

まずは、鉄道会社に強みをアピールするための基礎知識を、カンタンにまとめておきます。

強みとは、「相手が求めるもの」とマッチして初めて意味があります。たとえば、160㎞/hの豪速球が投げられるとしても、それは鉄道会社が社員に求めるスキルとは合致しないので、強みとしてアピールしても無意味です。

では、鉄道会社が社員に求めるものとは何か? それはやはり、安全を守れることです。

現役鉄道マンである私が考える「安全を守れる人」とは、以下の通りです。

  • ラクな方向に流されない人
  • 厳しい指導にも負けない打たれ強い人
  • 上司や先輩にも物怖じせず意見を言える人
  • 同調圧力に屈しない人
  • 人の言うことを鵜呑みにしない人
  • わかりやすい説明ができる人
  • 「他山の石」を活用できる人

今回の記事では、「厳しい指導にも負けない打たれ強い人」の説明をします。

安全を求められる鉄道の現場は厳しい

鉄道会社の社員教育は厳しいです。これは別に鉄道会社がブラックというわけではなく、鉄道の安全という大切なものを守らなければいけない以上、社員教育は厳しくせざるをえないという話です。

読者のみなさんだって、もし自分が利用する鉄道会社で「ああーOKOK、その程度でいいんじゃね?」みたいなユルユルの社員教育がされていたら嫌ですよね。そんな鉄道には乗りたくないはずです。

大手の鉄道会社に入れば、新入社員研修・車掌養成・運転士養成といった節目節目で教習所に入ります。教習所では、体育会系的なビシッとした規律で日々を過ごします。

至らないところがあると、教習所の講師は容赦なく指摘してきます。また、研修の成績が合格ラインに満たなければ、容赦なく補習や追試が行われ、それでもダメなら失格の烙印を押されて終了。

「コイツはダメだけど、まあこのくらいで勘弁してやるか」みたいな温情は一切ありません。「ちゃんとできるまでやれ! それでもダメなら辞めちまえ」なのです。

そのあたりは、教習所だけではなく現場でも同じです。

重ねて言いますが、これは鉄道会社がブラックという話ではありません。鉄道の安全を守るため、社員教育は厳しくせざるをえないのです。

雑な指導をすると連帯責任を問われることも

「えー、ホントにそんな厳しいの? 実はなあなあで済ませている部分がけっこうあるんじゃ?」

ないですね。
というのも、指導担当者が必要事項を教えなかったとか、「コイツできてないけど、まあいいか」と下手な温情で見逃すと、あとで指導担当者も連帯責任を追求されるかもしれないからです。

鉄道の仕事は、人間がやっていることなので、当然ですがミスが発生します。その場合、ミスした本人がいろいろ追及されるのはもちろんですが、指導担当者なり上司なりに矛先が向いて、「これはちゃんと教えたの?」と問われることもあります。

早い話、もし雑な指導をした場合、指導した側が責任を問われることもありえるのです。指導する側だって我が身が大切ですから、自分の立場を守るためにも、雑な(というか甘い)指導はしません。

打たれ強さは「平常心」につながる

というわけで、少しのことで心がポッキーンと折れてしまうような人は、鉄道会社で生き残るのは難しい。逆に、厳しい指導(多少の理不尽も含む)をされた経験がある、体育会系の人間なんかは、めげずにやっていけるでしょう。

さて、この「打たれ強さ」が鉄道の安全にどう結び付くのか?

打たれ強さとは、少し視点を変えれば、平常心を保てることです。この平常心が、鉄道の安全を守るために必要なのです。精神的ダメージを受けるような出来事があっても、それを抑え込んで、目の前の仕事を淡々とこなす。

ちょっと厳しくされたり叱られたくらいで動揺し、目の前の作業に集中できないようでは困ります。それは安全を脅かすことにつながるからです。

ですから、厳しい指導にも負けない打たれ強い人は、平常心を保てるという意味で、安全を守るための資質があると思います。

強みをアピールするための文例

「自分は厳しさにもへこたれない」という学生さんは、次のようにアピールしてみてはどうでしょうか。

安全を守るため、鉄道会社では厳しい社員教育が行われると、OB訪問で教わりました。そうした厳しい指導や教育にもへこたれない打たれ強さ、言い換えれば「平常心を保てること」が、安全を守るために必要だと考えます。
私は学生時代、○○をしていましたが、そこでの指導は厳しいものでした。しかし、そのおかげで、少々のことではへこたれない打たれ強さが身に付きました。この経験を生かして、鉄道の安全に貢献したいと思います。

ただし、このアピールは諸刃の剣な面もあります。私が面接官だったら、「そこまで言うなら圧迫面接の一つでも喰らわせてやろうか^^」と意地悪な気持ちになりますね。それで学生がヘコんだら、「なんだこいつ、全然打たれ強くないじゃん。ウソ言ってんなよ」と(笑)

ですから、そのあたりは覚悟したうえでアピールするべきでしょう。

【余談】指令員に必要なのは「罵声に耐える力」?

ちょっと長くなりますが、余談を一つ。

「打たれ強い」とは少し違いますが、罵声に耐える力が必要なこともあります。

突然ですが、私は今、「指令」という仕事をしています。列車の運行管理を行う仕事……と説明してもイメージ湧かないですよね。飛行機でいうところの管制官みたいな職種だと思ってくれればいいです。

会社の教習所で、指令員になるための養成研修が行われ、それに参加したのですが、そのときの笑えない話を一つ。

その研修で、現役の指令員が講師としてやってきたことがありました。質疑応答タイムで、研修生の一人が「指令員に必要な能力はなんですか?」と質問。それに対する驚きの回答が、

「そうだなぁ……罵声に耐える力かな」

……は、はい?
ちょっとなに言ってるのかわからない
(^^;)

講師いわく、「ダイヤが乱れると指令室は戦場になって、罵声が普通に飛び交うからね。そういうのを『はいはい』みたいに軽く受け流せる心の持ち主じゃないと、病んじゃうかも」

さて、後日、指令員になった私が実際に喰らった罵声の一例が↓こちら。

「バカヤロー! お前のせいで順序が狂っちまったじゃねーか!」
「こっちが先! んなモンは後回しでいいの!」
「これはこうすれば済むじゃねーか! 何やってんだお前」

講師が言ってたことは本当だった(笑)

一応断っておくと、指令って、別に気性が荒い人の集まりではないです。じゃあなんでそんな罵声が飛び交うかというと、ダイヤが乱れて大忙しになると、みんな気が立ってくるからです。

ダイヤがぐちゃぐちゃになると、指令室ってマジで戦場になります。台風や大雪のような災害時だと、徹夜も珍しくありません。終わりの見えない戦いに気力と体力が削がれ、みんなのイライラは頂点に達する(笑)そうなると、ちょっとしたことでもカチンときて「バカヤロー!」。

研修で教わった通り、「はいはいスンマセンね」くらいで流していかないと、とてもやっていけないです。

かくいう私も、ダイヤがぐちゃぐちゃで大忙しのときに他の部署と揉めて、

「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!!」ガチャン

とブチ切れて電話を叩きつけた経験がありますが。でもアレですよね。

これって、ぜんぜん平常心を保ててない(笑)

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【鉄道会社への就職】「強み」をどうアピールするか?(3)

以前、「就職活動で自分の強みをどうアピールするか?」に悩んでいる鉄道志望の学生さん向けに、記事を2本書きました。今回は、そんな人向けの記事第3弾です。

鉄道会社に「強み」をアピールするための基礎知識

まずは、鉄道会社に強みをアピールするための基礎知識を、カンタンにまとめておきます。

強みとは、「相手が求めるもの」とマッチして初めて意味があります。たとえば、160㎞/hの豪速球が投げられるとしても、それは鉄道会社が社員に求めるスキルとは合致しないので、強みとしてアピールしても無意味です。

では、鉄道会社が社員に求めるものとは何か? それはやはり、安全を守れることです。

現役鉄道マンである私が考える「安全を守れる人」とは、以下の通りです。

  • ラクな方向に流されない人
  • 厳しい指導にも負けない打たれ強い人
  • 上司や先輩にも物怖じせず意見を言える人
  • 同調圧力に屈しない人
  • 人の言うことを鵜呑みにしない人
  • わかりやすい説明ができる人
  • 「他山の石」を活用できる人

今回の記事では、この中から「上司や先輩にも物怖じせず意見を言える人」を解説します。

「上司や先輩の仕事は正しい」と考えるのはNG

まずは、鉄道マンを目指す学生さんに、↓の言葉をプレゼント(?)します。私がまだ20代の若造だったころ、当時の上司から教わったことです。

「人間は誰でもミスをする。だから、『上司や先輩がやった仕事だから大丈夫』という考え方は絶対にするな」

「他人のやった仕事をチェックするときは、間違いがあるという前提でチェックしろ」

「それは相手の人間性を疑うとか、粗探しをするとか、そういう意味じゃない。ミスをしない人間なんていないからだ」

これらの教えのキモは、「人間は間違える生き物である」=「上司や先輩が言っていることが正しいとは限らない」ということです。

「なにを当たり前のことを」と思うでしょう。そう思った人は、次の質問に答えてください。

社会人になったとき、上司や先輩の仕事を「間違ってるかも」と疑いの目で見ることができるか? 間違いを発見したときに、上司や先輩相手でも指摘できる自信はあるか?

上司や先輩にモノを言うことは難しい

おやおやぁ? 今度は「そんなの当たり前じゃん」という声が聞こえてこないですねぇ(^^) そうです。上司や先輩の仕事を疑ったり、ましてや「間違ってますよ」と指摘するのは、非常に難しいのです。

上司や先輩も人間ですから、間違いを犯すことはあります。もしその間違いがスルーされたら、安全を脅かす事態になるかもしれません。

ですから、上司や先輩相手にちゃんとモノを言える人は、間違いなく「鉄道の安全を守れる人」の資質があります。

強みをアピールするための文例

「自分は目上の人にもモノを言える」と自覚している学生さん、エントリーシートや面接での自己アピール場面では、↓のような感じで面接官に“エサを撒けば”いいでしょう。

私の強みは、先輩相手にも臆せずモノを言えるところです。
人間である以上、上司や先輩もミスをします。ミスを見つけたときに、「自分より上の人間だから」と黙っているのではなく、「間違ってますよ」と言えること。チームとして鉄道の安全を守るためには、その勇気が必要だとOB訪問で教わりました。
私は、たとえ先輩相手でも、変だと思ったことはキチンと言える人間です。学生生活で、そういうことを何度か経験しました。私の性格や経験を活かして、鉄道の安全に貢献したいと思います。

こうすれば、「具体例を聞かせてください」と質問されるはずですから、そこで詳しく語ればOKです。

ただし、内容がやや挑発的になるだけに、少し注意が必要かもしれません。もし私が面接官なら、「そこまで言うなら少し意地悪してやるか^^」という気になります。具体的には、わざと変なことを言ってから、「あなたはどう思いますか?」と質問し、学生が反論してくるかどうかを見る、という具合です。

モノを言う勇気・度胸の源は「知識」

最後に、「どうやったら上司や先輩相手にモノを言う勇気・度胸が持てるか?」について述べておきます。

私の考えでは、必要なのは知識です。そもそも論ですが、正しい知識がなければ、「間違ってますよ」と相手に指摘しようがありません。別の言い方をすれば、「キチンと根拠を示せるか?」です。

勇気や度胸というのは、知識と一体的なところがあります。しっかりした知識を持っていれば、「自分は正しい」と自信が出てきて、勇気・度胸につながります。逆に、あやふやな知識では自信が持てませんから、肝心なところで一歩踏み込めません。

まあ早い話、上司や先輩にモノを言うためには、しっかり勉強しろってことですね。

結局、鉄道の安全を守るために必要なのは「正確な知識」です。正確な知識を積み重ねることが、「安全意識」にもつながるのです。

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【鉄道会社への就職】「強み」をどうアピールするか?(2)

就職活動で、自分の強みをどうアピールするか? 前回の記事では、そこに触れました。

内容を簡単に振り返ると、

  • 強みとは、会社が求めるものとマッチして初めて意味がある
  • まずは情報収集して会社が求める人材を知るべし
  • 結局、鉄道会社は「鉄道の安全を守れる人」を求めている

こんな感じでした。

「じゃあ鉄道の安全を守れる人って、どういう人なの?」という点を掘り下げていくのが、今回の記事です。それを知ることができれば、「自分の○○なところは鉄道の安全を守るのに向いている」と自分の強みを発見できるわけです。

「鉄道の安全を守れる人」とはこういう人だ!

あくまで私の経験から来る考えですが、以下のような人が「鉄道の安全を守れる人」だと思います。

  • ラクな方向に流されない人
  • 厳しい指導にも負けない打たれ強い人
  • 上司や先輩にも物怖じせず意見を言える人
  • 同調圧力に屈しない人
  • 人の言うことを鵜呑みにしない人
  • わかりやすい説明ができる人
  • 「他山の石」を活用できる人

いっぱいありますね(^^;) そうです。安全を守れる人間としての資質は、一つではなく、たくさんあると思います。

今回の記事では、ラクな方向に流されない人について説明していきます。

鉄道の仕事は地味な作業の繰り返し

ラクな方向に流されないのは、どんな業種でも大切ですが、とりわけ鉄道会社では重要です。というのも、鉄道現場での作業とは、同じことの繰り返しであり、ちょっと気が緩むとつい手抜きをしたくなるのが作業者の心理だからです。

詳しく説明しましょう。

たとえば、運転士がやっている「指差喚呼・指差呼称」という作業。声を出しながら対象物(信号機とか)を指して確認しているアレです。みなさんも見たことがあるでしょう。

「声を出しながら指差し」という動作は、確認の精度を高め、ひいては安全を高めることが実験によって証明されています。つまり、運転士にとっては安全を守るための“基本のキ”なのですね。

しかし、列車に乗ったときによ~く観察してみてください。手抜きをしている運転士もいるはずです。

単調で退屈な作業はサボりたくなるのが当然

なぜ、基本動作をサボってしまうのか?

理由は簡単。同じことの繰り返しは、単調で退屈だからです。

列車の運転に携わる業務は、毎日毎日同じことを繰り返すという、地味~な作業の積み重ねです。出勤するたびに新しい仕事が待っている、なんてことはありません。新人の頃ならいざ知らず、慣れてくると刺激なんて一切なくなります(笑)

そうなると、だんだん気が緩んできます。有り体に言ってしまえば、そのうち飽きます。人間はラクをしたがる生き物ですから、飽きれば当然サボりたくなります。

運転士の指差喚呼・指差呼称の例でいえば、

「もう新人じゃねーんだし、そんなに声出さなくていいでしょ」
「毎度毎度ビシッと指ささなくてもよくね?」

こんな具合で、みなさんも一度は見たことのある「声を出さない・指差しない運転士」が誕生するのです(笑)

ブログを継続できる人は鉄道マン向きかも

同じ作業の繰り返し → 気の緩み・飽きる → サボる……

人間である以上は、仕方がない流れかもしれません。しかし、こうした姿勢が鉄道の安全にとってよろしくないことは、説明するまでもないですね。

だからこそ、サボりたくなる気持ちに喝を入れて、物事をキチンと継続できる人は、鉄道の安全を守る人材の資質を備えていると思うのです。

たとえばですが、「ブログをちゃんと継続している人」って、鉄道マンに向いていると思いますよ。

ブログを継続するのは大変です。ネタを探し、それなりの量の文章を書き、わからないことがあれば調べる。しかし、そういうシンドイ作業を続けても、特に見返りはない。張り切ってブログを始めても、めんどうになって3ヶ月も経たずに投げ出す人が多いのも納得です。

ですから、めんどくさいブログ運営をキチンと続けられている人は、ラクな方向に流されない心の持ち主だと思います。学生さんでブログをやっている人も多いでしょうが、継続できている人は自信を持ってください。

「頑張って継続した経験」があれば強みになる

他に例を挙げるとすれば、「大学の講義にすべて出席している人」も、安全を守る人材としての資質があると思います。

大学生ならば、講義をサボったことが一度はあるでしょう。私も朝一の講義はよくサボっていました。一度どころじゃなく(笑)

しかし、周りがラクな方向に流れていく中で、自分はちゃんと踏み止まれているのであれば、それは強い心の持ち主です。ラクをしたい気持ちに打ち勝って、やるべきことをきちんとやる。これが鉄道の安全を守るために大事なことです。

ようするに、「他のみんながすぐ投げ出すような苦しいことを、自分は頑張って継続した」という経験があれば、それは鉄道会社へのアピールポイントになりえます。自分の人生を振り返って、そういう経験を探してみてください。

強みをアピールするための論理展開の例

話が長くなったので、まとめましょう。

  1. 鉄道の仕事は地味な作業の繰り返し
  2. そういう仕事は気が緩んでラクな方向に流されがち
  3. しかし、安全を守るためには、ラクな方向に流されない気持ちが大切である
  4. 私はラクな方向には流されない人間である(=強みのアピール)
  5. それを裏付ける経験を語る

こういう組み立てで進めれば、強みを効果的にアピールできるかと思います。一例を挙げると、

私の強みは、ラクな方に流されない気持ちを持っていることです。
鉄道の現場は日々同じ作業の繰り返しなので、つい気が緩んで基本動作を怠りがちになると、OB訪問の際に教わりました。しかし、鉄道に最も大切な安全を守るためには、そうした気の緩みに打ち勝たなければいけません。
私は○○の経験を通して、ラクな方に流されない気持ちを身に付けました。これは鉄道の安全を守るために活かせると考えます。

OB訪問で「鉄道の仕事は○○だ」と教わった。まずこれで、情報収集をしっかりやっていることをアピール。

そして、OB訪問で得た情報をもとに、「安全を守るためには○○が大切だ」と考えた。手に入れた情報をもとに、鉄道会社が何を求めているかを考えられる人間です、ということをアピール。

自分は○○の経験を通して○○を身に付けており、それは鉄道会社に必要な「安全を守ること」に活かせると主張。これによって、私は御社の役に立てる人材です、ということをアピール。

私は人事担当ではないのでなんとも言えませんが、これくらいできれば、及第点は確保できるのではないでしょうか。
(採用業務をやったことがある人がいたら、教えてください)

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「弱みは強みに変換してアピールしろ」は疑問


運転士に求められるのは「自己アップデート能力」


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【鉄道会社への就職】「強み」をどうアピールするか?(1)

鉄道会社への就職を目指す学生さん向けの記事です。今回は、強みに関する記事を書きます。

「自分の強みをどうアピールするか?」は、就職活動では避けて通れないですよね。悩んでいる学生さんも多いでしょう。「強みって、どうアピールすればいいんだ?」とか、もう一歩進んで「そもそも俺に強みなんてねぇーよ!」とか(笑)

私も就職活動のときには苦労したので、その気持ちはよくわかります。当ブログが、悩める学生さんの参考になれば幸いです。

なお、本記事は、駅員→車掌→運転士というコースに代表される「運輸系統の現業職」を目指す人向けの内容です。総合職や技術系統の職種を目指す人には、ちょっと違いますのでご注意ください。
(参考にはなると思いますが)

相手の求めるものとマッチしてこその強み

今回の記事は、いわば総論的な内容です。具体的な話は次回以降で。

それではまず、強みをアピールするにあたって、最も大切なことを述べておきます。これは鉄道業界だけでなく、すべての業界に当てはまることです。

強みとは、会社側が求めているものとマッチして初めて意味がある

具体例をひとつ挙げましょう。たとえば、「私は160㎞/hの球を投げることができます!」という人がいるとします。おお~、すごい! プロ野球選手を目指しているのなら、これはとてつもない強みです。ドラフト上位指名は間違いないでしょう。

しかしこれ、鉄道会社への就職においては、何の強みにもなりません。

理由は簡単。鉄道会社では、160㎞/hの球を投げる能力など求められていないからです。求められていないものをアピールしても、何の意味もないですよね。

強みとは、会社側が求めているものとマッチして初めて意味がある。納得していただけたでしょうか。

「会社側が求めるもの」をどうやって情報収集する?

それを踏まえて考えると、「鉄道会社は何を求めているのか?」をまず明確にしなければいけません。つまりは情報収集ですね。それができて初めて、「強みをどうアピールするか?」を考えることができます。

情報収集のためには、以下のような手段があります。

  1. 会社のホームページを見る
  2. 会社説明会に出る
  3. OB・OG訪問
  4. このブログを読む(笑)

「会社のホームページを見る」「会社説明会に出る」はオーソドックスな手段です。この手段で得られる情報は、会社側から発信された“公式情報”ですから、それに寄せて強みを考えるのは王道です。

欠点としては、その会社を受ける学生すべてに等しく配布される情報であり、つまり、他の学生との差別化はできないこと。また、情報の内容が無難すぎて、あまり役に立たないことも多いです。

実際に鉄道会社の採用情報ページを見てみても、「コミュニケーション能力が大切」「いろいろな分野にチャレンジできる人を求めています」……って、そりゃどんな業種・会社でもそうでしょ(笑)

というわけで、これらの手段だけでは、最大公約数的な情報しか手に入らないことは覚悟しておくべきです。

もう少し具体的な、できれば現役社員のナマの声が欲しいところ。そのため、「OB・OG訪問」「このブログを読む(笑)」という方法も併用してください。

鉄道会社が求めているのは「安全を守れる人」

鉄道会社で働くにあたっては、「鉄道の安全を守ること」が最も大切です。したがって、どこの鉄道会社でも「この人は鉄道の安全を守れる人だろうか?」という考え方を中心にして選考を行なっているのは、絶対に間違いありません。

それでは、鉄道の安全を守れる人とは、いったいどのような人なのか?

次回の記事からは、そこを詳しく掘り下げていきます。それがわかれば、「私の○○なところは、鉄道会社が求めるものにマッチしています!」と強みをアピールできるからです。

私が提供できるのは「答え」ではなく「考え方・イメージ」

お断りしておきますが、私は「面接でのこういう質問にはこう答えろ!」とか「志望動機はこう書け!」のような「答え」は書きません。というか、そんなモノ知らないので書けません。

私は採用業務を担当したことはないですし、就職コンサルタントの経験もないからです。そういう経験があれば、「こう書け」「こう答えろ」というアドバイスもできるのですが……。

私がお伝えできるのは、あくまでも「鉄道マンとしての経験からくる考え方」や「具体的な仕事のイメージ」だけです。それらをヒントにして、最終的には就活生のみなさん自身で「答え」を見つけてください。

これはOB・OG訪問でも同じ。大多数のOB・OGは採用業務に携わったことはないはずですから、話を聞いても得られるのは「考え方」や「仕事のイメージ」だけです。結局、その情報をみなさんがどう料理するかが求められます。

……と、少しガッカリさせるようなことを書きましたが、このブログをていねいに読んでいただければ、考え方の厚みが増すことだけはお約束できます。

続きの記事はこちら 「強み」をどうアピールするか?(2)

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「弱みは強みに変換してアピールしろ」は疑問


運転士に求められるのは「自己アップデート能力」


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クレペリンQ&A 気になる疑問はこれで解決!

鉄道会社の採用試験(乗務員コース)では、必ず行われるクレペリン検査。

採用試験時が人生初クレペリンという人がほとんどでしょうから、「計算が遅いけど大丈夫?」「必勝法はないの?」などの疑問を持つ人がいるかもしれませんね。今回の記事では、そんなみなさんの疑問にQ&A方式で答えます。

「そもそもクレペリンってなに?」という人は、こちらの記事をご覧ください。詳しく説明してあります。

Q1.鉛筆とシャーペン、どっちを使えばいい?

これは鉛筆一択です。というか、試験要綱で「シャーペンは使用不可」と指定される場合もあります。鉛筆を持っていけば間違いありません。

仮にシャーペンOKの場合でも、使うのはオススメできません。シャーペンはいちいち芯をノックして出す必要があるので、時間をロスするからです。

鉛筆は、削ったものを4本は用意しましょう。前半用・後半用・予備×2です。予備というのは、途中で芯が折れたとか、手を滑らせて鉛筆を下に落としたとか、そういう場合のバックアップです。

また、試験前に芯が折れるようなトラブルに備えて、小さな鉛筆削りを持参することを推奨します。実際に使うか否かは別として、「持っている」という安心感が、不安の除去につながります。他には、鉛筆の先にキャップをかぶせておく対策もよいでしょう。

Q2.計算が不得意で遅いのですが、大丈夫?

大丈夫です。私、クレペリンに関する論文を読んだことがありますが、「作業量の不足で不合格になる人はほぼいない」そうです。

クレペリンは一行1分ですが、なんぼ計算が不得意でも、1分間に20個しか足し算できない、なんてことはないですよね。不安なら、事前に「100マス計算」などでトレーニングしておけばよいでしょう。

Q3.急いで書くので字が汚くなっちゃうけど大丈夫?

大丈夫です。きれいに書く必要はありません。私も毎回ミミズが這ったみたいな字で書いていますが、ちゃんと合格しています。

「字がきれいか汚いか」ではなく、大事なのは「判読できるかどうか?」です。たとえば、以下のような紛らわしい書き方はやめましょう。

f:id:KYS:20200614192610p:plain

これは4? それとも9?

f:id:KYS:20200614192629p:plain

これは7? それとも9?

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5と6のどっち?

このような誤解を招く書き方をすると、採点者は「わからないから✕」とするかもしれません。くっつけるべき部分はくっつけ、離すべき部分は離しましょう。

Q4.計算結果を間違えて書いてしまった。消しゴムで消すべき?

消しゴムで消さなくていいです。そんなことをしたら時間を大幅にロスして、その行だけ作業量が不自然に減ります。そのせいで試験結果が歪になり、不合格になったら目も当てられない。

間違った数字は✕か/で消しておき、そばに正しい数字を書けばOKです。

というわけで、試験が始まったら消しゴムの出番はありません。消しゴムの出番は、試験前に用紙に名前などを書くときだけです。

Q5.間違った箇所は訂正しておかなければいけない?

先ほど「間違いは✕か/で消せばOK」と書きました。が、時間のロスを防ぐために、トータルで数箇所程度の間違いなら、そのまま放置で問題ありません。実際、私もそうしています。

クレペリンというのは、採点時にすべての計算結果を見るわけではないようです。全受検者の全数字を確認していたら、恐ろしい手間がかかりますよね。ポイントを絞って数字をチェックするらしいです。

ですので、そもそも間違いが露見する可能性は低い。仮に間違いを発見されても、それで不合格になるわけではありません。クレペリンに関する論文を読んでも、「作業の正確性(=計算間違い)が原因で不合格になる人はほぼいない」そうです。

「ちょっとくらい間違えてもいいや」という割り切りも必要ですよ。完璧主義にこだわって作業のリズムを崩す方が怖いです。

Q6.間違えて一行飛ばしてしまった。どうすればいい?

これは試験前に試験官から説明があるはずですが、飛ばしてしまった行は、そのまま放置で空けておけばいいです。下へ下へと進めばよく、くれぐれも上に戻ったりしないように。「あっしまった」と動揺するかもしれませんが、割り切って淡々と試験を続けてください。

「失敗しないこと」ではなく、「失敗した後に動揺せずリカバリーすること」。これが鉄道マンに必要な要素です。それを試されていると考えてください。

Q7.ぶっちゃけ合格率ってどれくらいなの?

クレペリンの合格率。これは最も気になるところですが……残念ながら私は知りません。ただ、採用業務に携わったことのある同僚から、「クレペリンで落ちる人は、そんなにいない。少なくとも、半分も落ちるような試験ではない」と聞いたことはあります。

Q8.いつもクレペリンで落とされます。対策や必勝法はないですか?

そもそも論ですが、クレペリンが原因で落ちたのかどうかはわかりません。

というのも、お祈りメール等で「あなたはクレペリンがダメで落ちました」と通知されることは、通常ないからです。もしかしたら、エントリーシートや面接が不出来で落とされているのかもしれません。

それはともかく、本当にクレペリンが原因で落ちているとしたら、正直打つ手なしです。クレペリンは適性検査であって、入試のように学力を測定する試験ではありません。テクニックを駆使して成績を上げられる類のものではないです。

もしかしたら対策や必勝法があるかもしれませんが、少なくとも私は知りません。仮にあっても、それを実行できるかどうかは、また別の話ですし。

Q9.本当に必勝法はありませんか? 隠してませんか?

隠してません(^^;)
「建前ではなく本音」がこのブログの方針ですが、知らないものは知りません。

Q10.でも本当は知ってますよね? 教えてください
ツンツン( ´・∀・)σ)`ω゚)

だから知らねえって言ってるだろうがあああ!
(^ω^ #)ビキビキ

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クレペリンで楽をするコツは「9」にあり!

鉄道会社の採用試験(乗務員コース)では必ず行われるクレペリン検査。経験してみるとわかりますが、とても大変な作業です。

「少しでもラクをする方法はないかなあ……」

今回の記事では、そう思っている人のために、ちょっとしたコツを紹介しましょう。

ひたすら足し算するわけだが……

以下の文章は、読者のみなさんが「クレペリンの進め方」を知っている前提で書きます。「そもそもクレペリンってなに? どうやるの?」という人は、こちらの記事で詳しく説明していますのでご覧ください。

さて、クレペリンの試験用紙には数字がバーッと並んでいます。そして、隣り合った数字同士をひたすら足し算していきますね。

f:id:KYS:20200612052603p:plain

仮に↑のような数字の並びだったら、

f:id:KYS:20200612052611p:plain

7・2と書くのが正解ですね。

「9」の隣は計算しなくていい! 1少ない数字を書く

ひたすら数字を足していくクレペリン。少しでもラクをするコツは、という数字に着目することです。

f:id:KYS:20200612052611p:plain

「8・9」なら7。
「9・3」なら2。
つまり、9とペアになる数字は、計算すると1減った数字になります。

ようするに、9の両隣は計算する必要はなく、機械的に1少ない数字を書けばOKということ。これを知っていると、9が出てきたときは一瞬だけ頭を休ませることができます。

9でラクをするこの方法、経験者ならば直感的に体得しています。実際、クレペリンを何度も受けている鉄道マンたちにとっては、ほとんど常識といえる知識です。ただ、ネット上を探してみると、このコツについて書かれた媒体が見つからなかったので、今回紹介してみました(^^)

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クレペリン検査の裏話 実は試験官も大変

鉄道会社の採用試験(乗務員コース)では、必ず行われるクレペリン検査

受検(注:この字が正当、受験は誤字)したことがある人ならわかるでしょうが、シンドイ作業ですよね。数字ばかり見ていて頭が混乱してくるし、手も痛くなるし。

現役鉄道マンたる私は、現在でも3年に一度、継続的に受けていますが、毎回イヤでイヤで仕方ないです(笑) 「はぁ~もう前回から3年経ったのか。歳とっちゃったなぁ~」みたいな気分にもさせられるし(笑笑)

さて、私の愚痴はこれくらいにして……

このクレペリン検査、大変なのは受検者だけではありません。実は、試験官の側もけっこう大変なのです。

試験官の役割は1分ごとに「次」と言うこと

ここからの文章は、読者のみなさんが「クレペリン検査の進め方」を知っている前提で書きますね。「クレペリン検査ってなに? どうやるの?」という人は、こちらの記事をご覧ください。

クレペリンにおける試験官の役割は、「時間の管理」です。ストップウォッチなり時計なりを見て、1分経ったら「次」、また1分経ったら「次」と言う。それを15分間続ける……。

この作業、試験官経験者に言わせると「なかなか大変」だそうです。

試験官も15分間ずーっと気が抜けない

「ようは時計を見て1分ごとに『次』って言うだけでしょ? それの何が大変なんだ?」

そう思った人、実際にやってみてください。

まず、15分間、時計から目を離せないというのが大変。さらに、キッチリ1分ごとに「次」「次」と言い続けなければいけない。

非常に機械的で単調な作業ですから、ついつい他のことを考えてしまったり、ボーッとしてしまったり……。あるいは受検者の学生たちを見て、「みんな若いなあ~。俺にもあんな時代があったなあ~」なんて思ったり(笑)

そんなこんなで時計から気が逸れ、1分経過のギリギリ手前でハッと我に返る。「あっやばっ!」となり、慌てて「次」と言うヒヤリ体験もあるそうです。

要するに、作業自体は大変ではありませんが、15分間、ずーっと時計から意識を逸らしてはいけないところが大変なのです。

最近は録音音声を使うケースが増えている

人間が「時間読み上げ」をやると、こういう“事故”が起きうるので、最近は、予め録音された音声を流して試験するケースも増えています。クレペリン試験用のCDを使ったり、サイトから音声をダウンロードしてパソコンやタブレットで流したり、という具合です。

ちなみに、私が入社試験を受けた時代(大昔)は、どこの会社も試験官が「時間読み上げ」をしていましたね。

作業量をいじる「調整」はやめた方が無難

さて、雑学は以上です。
話を変えまして、クレペリンを受ける就活生に一つ忠告。

作業量の「調整」はやめた方が無難です

検索エンジンからこの記事に辿り着いたような人ならご存知でしょうが、クレペリンの試験結果には「理想的な曲線」というものが存在します。

理想的な曲線が作れれば検査に合格できるわけです。そのため、理想曲線を作る「調整法」がネット上で公開されていたりします。たとえば、こんな感じ。

  • 序盤の行は、作業量多めで
  • 中盤の行は、作業量を少し減らす
  • 終盤の行は、また作業量を増やす

しかし、この調整、経験者として言わせてもらうと推奨はできません。試験中は一種の精神極限状態に追い込まれるので、意識して作業量を加減することは難しい、というのがまず一つ。

それからもう一つ。

上で紹介したように、人間が試験官をやっている場合は、1分からズレる“事故”が起こりえます。しかし、仮に事故が起きた場合でも、試験官は試験を止めないはずです。もしかすると、ある行が1分02秒になってしまったら、次の行は58秒、みたいな帳尻合わせをするのかもしれません。

作業量を調整していると、そういう場合にバレるかもしれません。また、真偽は不明ですが、調整している受検者をあぶり出すために、わざと時間をズラすこともあるという話を聞いたことがあります。

ですので、意図的に作業量を調整するのはやめた方がよいでしょう。

そもそも、クレペリンは「適性検査」ですから、小細工は感心しません。乗務員は、お客さんの命を預かる大切な仕事ですから、適性のない者にやらせるべきではありません。残念ですが、受からない人は潔くあきらめてください(←鬼)

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