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鉄道関係の記事が約460。鉄道好きや、鉄道業界に就職したい人は必見! ヒマ潰しにも最適

小諸の駅そば『清野商店』 シャキッとしたそばが汁とマッチして美味い

小諸そば。首都圏を中心に出店しているそばチェーン店──

じゃなくて

本記事で紹介したいのは、「小諸駅のそば」です。長野県を走るしなの鉄道。その小諸駅に店を構える立ち食いそば屋『清野商店』地元メディアの情報によると、しなの鉄道の社員が定年退職後にオープンさせた店だそうです。

元鉄道マンが営む立ち食いそばの実力はいかにっ!?

信州といえば「そば処」ですが、この店ではうどんも食べられます。でもまあ普通に考えて、だいたいの客はそばを注文するでしょう。私が訪れたときも、他の客は全員そば頼んでたし。

注文方法 自分で食券に注文を書き込み渡す(口頭でもOK)

『清野商店』は小諸駅の改札外に店があります。外から来た人は、入場券を買ってホームに入らなくても大丈夫。列車旅の途中で寄る場合は、いったん改札外に出なければいけません。

それでは食レポといきましょう。まず注文の仕方。

不鮮明な写真で申し訳ないですが、注文口に食券(紙の札)とペンが置いてあります。

この中から注文したい食券──たとえば「天ぷら」を選んで取り出し、そば or うどんにマルを付けて、代金と一緒に渡す仕組みです。

ただ、この食券じゃないと注文を受けてくれないわけではなく、口頭で注文しても大丈夫。実際、私のあとに来た人は、口頭で伝えていました。

でもまあ、店が食券を用意しているということは、それを使ってほしいわけですから、食券を渡した方がいいでしょう。

メニューはオーソドックスです。立ち食いでも高価格化が進み、原材料費高騰も叫ばれる中で、良心的な値段だと思います。(※2023年現在のラインナップと価格)

  • かけ  350円
  • 天ぷら 450円
  • 月見  400円
  • 天玉  500円
  • 山菜  400円
  • とろろ 400円

一人ずつ客を捌くので多少時間がかかるケースもありそう

昼時ですが、厨房にいたのは一人でした。こちらが元鉄道マンの店主さんでしょう。注文対応から調理まで、一人で作業されていました。店側の視点だと、オペレーションは以下の流れになります。

 注文を受けて代金を貰う
→調理する
→商品を提供する
→次の客の注文を受ける。以下ループ

複数の注文を同時並行で捌くのではなく、一人ずつ対応・完結させていくのです。そのため、仮に3~4人が並んだ場合、最後尾の人は数分待つはずです。

ただ、店を少し眺めていて思ったのですが、そのスタイルは正解かと。

というのは、この店はカウンターで立ち食いする方式ですが、詰めて5人ほどのスペースしかありません。あまり迅速に商品を提供し、客を多く呼び込んでしまうと、カウンターがパンクして食べる場所がなくなります。

まさか丼を片手で持って、文字通り立ち食いするわけにもいかないし。

一人ずつ注文を捌く方式なら、一気に満席になってパンク、なんて事態にはなりにくい。繁盛し混雑しても、商品を受け取ったときには、先に注文した誰かは食べ終えている……という流れが作れます。

それを店主さんが計算して(=意図的に)やっているのかは知りませんが。

麺(そば)は冷凍だが不満はない

私はかけそばを注文しました。元鉄道マンの店主さんの仕事ぶりを眺めることにします。まず、冷凍庫から冷凍麺(そば)が取り出されました。

──などと書くと、「え~、せっかくの信州で冷凍麺? チェーン店でもないのに」とガッカリするかもしれませんが、生麺を使えばいいというものでもないでしょう。

店側としても、保管や作業効率の問題があり、早さや値段も含めたトータルパフォーマンスを上げるために、冷凍麺を使うのは普通にアリかと。

そもそも「冷凍 = 不味い」が偏見で、冷凍うどんなんかは、茹で立ての良い状態を急速冷凍しているのでじゅうぶん美味しいですよね。冷凍は時を止める魔法! ……とまでは言い過ぎか(^^;)

茹で上がったそばに、汁がかけられます。おもしろいと思ったのは、そば汁を鍋ではなく炊飯器に入れてあったところ。鍋で火にかけていると煮詰まってしまうので、それ防止のためでしょうか?

私が注文した、かけそばのトッピングはネギのみ。調理台のネギの容器にはフタがされており、都度フタを開けてネギを取り出していました。フタをしてあった方が、ネギが乾かないし、衛生面でも好ましいです。

「そんなん当たり前」と思うかもしれませんが、いちいちフタを開け閉めするのはメンドクサイじゃないですか。どの商品にも(たぶん)ネギを載せるはずで、このあと私の後ろで待っている人のそばも作るはず。だったら開けっ放しでいいやん、となるのが人間心理というもの。

私のように、そんな細かいところまで見てる客も、そういないだろうし(笑)

ネギの扱い一つにも、安きに流れない、丁寧な仕事をする姿勢が窺えました。

シャキッとしたそばと濃い汁がよくマッチ 個人的には好み

かけそばの到着です。1分で提供されるような早さは(もちろん)ないですが、「まだ~?」と思わされるほどの時間もかかりませんでした。

それではいただきます。ズルズル

これは俺の好きな味だ!

いい感じにそばがシャキッと引き締まっています。これは「茹でが足りなくて硬い」のではなく、しっかり茹でて中まで火が通されたうえでのものかと。スルスルと入ってきます。

そのため、食べていて口が疲れないです。

そば汁は関東系。濃い目の醤油タイプ。甘さは控え気味か。良い香りです。

こういう汁の場合、そばが柔らかすぎると汁の中に“埋没”するのですが、シャキッとした状態のため、そばの存在感が失われていません。麺と汁がよくマッチしていると思いました。

ごちそうさまでした。何か奇をてらっているわけではなく、スタンダードなタイプですが、駅そばレベルは高い方ではないでしょうか。じゅうぶん満足できました。

ただし、量は多くないので腹は膨れません。サイドメニューの類もない。必要なら大盛りを注文しましょう。普通盛りの場合は、食事ではなく、おやつ・小腹を満たすという感覚の方がいいかもしれません。

営業情報(2023年現在)

  • しなの鉄道小諸駅 改札外なので入場券等なしで利用可能。逆に鉄道で訪れた人は、一度改札外に出ないといけない
  • 営業時間 7:00~15:00
  • 定休日 水曜日

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小倉駅ホームの「かしわうどん」 麺・かしわ・ネギの一体感が素晴らしい

小倉駅の在来線改札内には、立ち食い店が複数あります。まず、ホーム同士をつなぐ橋上連絡通路には『玄海うどん』というお店が。

ホームに降りてみましょう。かつては、豚骨ラーメンを提供する『ぷらっとラーメン』という店が存在しました。数年前に食べたことがあります。が、残念ながら現在は閉店。コロナ禍の影響を受けたのかも。

少し寂しくなった在来線ホームですが、『北九州駅弁当株式会社』が運営する立ち食いうどん・そば店は元気に営業しています。

公式ホームページによると、店名は『ぷらっとぴっと』。だが、実店舗には店名表記がない

この在来線ホームの立ち食いうどんは有名です。具体的には「かしわうどん」が名物。「かしわ」とは鶏肉のことで、それを甘辛く煮たものをトッピングしたのが、かしわうどん。九州北部ご当地グルメの一つで、それを九州の玄関口ともいえる小倉駅で手軽に食べられます。

先日、ここで「かしわうどん」を食べてきたので、今回の記事は食レポをします。

麺・かしわ・ネギが三位一体の味わい! これが「かしわうどん」だ!

『北九州駅弁当株式会社』の立ち食い店。在来線1・2番ホームと、7・8番ホームで営業する2店舗があり、私が訪れたのは後者です。橋上通路から階段を下りていくと、早くも良い香りが漂ってきた。あ~食欲をそそられる。券売機で食券を購入しましょう。

2024年現在の値段

メニューは基本「かしわうどん」「かしわそば」の二択です。あとはトッピングや御飯もの、酒類といったプラスアルファ。もちろん王道の「かしわうどん」450円をチョイス。

客は、私を含めて8人。立ち食いカウンターは満席です。これだけ人数がいると、店員さんも注文を捌く・食器の後片付けをするのが大変な模様。空いているときなら、たぶん1分かそこらで提供されるんでしょうが、私の注文したうどんは4分ほどかかって到着。

かしわとネギがたっぷり載っていますね。2枚の蒲鉾がピンクの彩りを添えています。では、いただきましょう。

まず、うどんだけをすすってみます。ズルズル。うむ、スーパーで1玉30円くらいで売っているような、柔らかい麺だ。続いて、かしわだけを食べてみます。ややコリコリとした食感で、甘辛く味付けされた鶏肉ですね。それ以上でもそれ以下でもない。

……などと書くと、まるで平凡であるかのような印象を与えてしまうかもしれません。しかし、本題はここから。かしわ&ネギを、うどんに絡めて一緒に口の中に入れてみましょう。するとあら不思議。

めっちゃ美味い!!

うどん・かしわ、それぞれ単独で食べると「ふーむ」くらいにしか思わないです。が、ネギも含めて三位一体となったときの味と食感が素晴らしい。

  • 柔らかいうどんのツルツル感
  • かしわの甘辛さとコリコリ感
  • ネギの風味とシャキシャキ感

これら三つの要素が見事に融合しています。ここに汁の塩気と甘さが加わると、もう箸が止まらない。ボクは終点までノンストップで行ってしまいそうだあぁぁ!!(笑)

というわけで、うどん・かしわ・ネギを絡めて食べるのが正しい食べ方だと断言しておきます。かしわとネギはたっぷり載っており、途中で無くなる心配は不要です。遠慮せず絡めて食べましょう。私もガンガン攻め続け、あっという間に完食してしまいました。いやー、美味かった。ごちそうさまでした。

「かしわうどん」の美味しさを私なりに分析

それにしても、うどん・かしわ・ネギという、言っちゃアレですが平凡な食材だけで、なぜこれほど美味いのか? 私なりに「かしわうどん」の分析をしてみます。

まず、うどん。柔らかい麺でコシなど皆無ですが、それがいい。讃岐うどんのような抜群のコシがある麺だと、かしわのコリコリ感と“被って”しまい、逆に美味しくないと思います。麺がヤワいからこそ、かしわの存在感が引き立つのですね。

「うどん = コシがないと駄目」などと思い込んでいる人に、ここのうどんを叩きつけてやりたい。

ネギの効果も素晴らしい。麺類におけるネギは、目的もなく「慣習だから」みたいな雰囲気でトッピングされている例が少なくないと思います。それは意味がないどころか、時として逆に味のバランスを破壊することになりかねない。

しかし、この「かしわうどん」においては、間違いなくネギは不可欠な存在です。うどんとかしわを絡めただけでは単調さが若干残るかもしれませんが、ネギの風味とシャキシャキ感が加わることで、味や食感に膨らみをもたらしています。

薬味とは、こういう使い方をするのが正しいんだという、手本ではないでしょうか。

薬味といえば、卓上には一味唐辛子が置かれており、これを使うのもいいでしょう。汁やかしわが甘い系統の味付けなので、後半に入ると「甘さが目立ってダレてきた」と感じる人が一定数いるかもしれません。そのタイミングで一味を投入すれば、ピリ辛要素で引き締めを図ることができるので、再加速できると思います。

うどんやそばを食べるときに、条件反射的に一味(や七味)を振りかける人がいますが、そんな無造作にやるんじゃなくて、もっと戦略的に振りかけていかないと。

すみません、ちょっと大袈裟でした(^^;)

うどん・かしわ・ネギ、どれも高級ではない食材ですが、それらの組み合わせで「美味い!」を作り出している。見事な三体融合です。海馬のブルーアイズ三体融合なんか目じゃないぜ。さすがは有名店と思わされる味でした。小倉駅に立ち寄った際には、また食べたいです。

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新開地駅『神戸製麺所』 この特徴的な食感のそばは何ぞやっ!?

なんだか、床が傾いて見えます。時空の捻れで構造物が歪んだのでしょうか、異空間に迷い込んでしまったような心持ちです。

はい、気のせいではありません。本当に床に傾斜があり、坂になっています。

ここは兵庫県の新開地駅です。阪急電鉄・阪神電鉄・神戸電鉄が結節する要所。この駅構内、坂の途中に店を構える『神戸製麺所』の食レポをするのが、今回の記事です。

ラーメン + そばの二本柱 「韃靼そば」も取り扱う『神戸製麺所』

阪急・阪神のホームと、神鉄ホームを結ぶ構内通路。かつてこの場所には『高速そば』なる店舗がありましたが、2021年に閉店。その後、空白期間を経て同じ場所に登場したのが『神戸製麺所』です。

かなり麺にこだわっているようだ。なぜ自家製麺だとコシが強いのかは不明

個人的には、○○製麺所というネーミングの飲食店って、そば・うどんのイメージがあります。しかし、ラーメンも看板メニューになっているのが神戸製麺所の特徴。

もう一つ、「韃靼そば」というものを取り扱っているのも特徴です。

韃靼そばとは何ぞや? ほとんどの人は知らないと思います。神戸製麺所のホームページによると……「通常のそばの120倍のルチンを含む」そうです。健康に良さそうだけどマイナー食材。これは面白そうだ、ぜひ食べてみたい。

ところが、現場の券売機を見た私は混乱した。

実はホームページには、「当店の麺は全て自家製の韃靼(だったん)そばを使用しております。」と書かれていました。しかし、券売機には[韃靼そばに変更 100円]というボタンがある。

えーと……どゆこと?

「当店の麺は全て自家製の韃靼そばを使用して」いるのに「韃靼そばに変更」という食券が存在する??? ……ダメだ、理解できない。俺は何か根本的な勘違いをしているのだろうか?

このあたり、わかる人がいたら教えてください(^^;)

そばの食感は特徴的 まるで冷麺を思わせる

で、結局どれを選ぼうか? ラーメンも激しく気になりますが、無難に、看板商品であろう「かき揚げそば」を選びました。ラーメンは……ラーメンは次の機会にッ。

店内に入り、食券を店員さんに渡します。茹で置きではなく、冷凍麺でもなく、生麺を一から茹でてくれるのが特徴。そういうスタイル、駅そばでは見つけるのが難しいはずです。さすが、麺にこだわっている店。

到着です。澄んだ汁に青ネギは、いかにも関西系のビジュアル。それではいただきます。

おうっ?
何だッ、この麺の食感は!?

食感がすごく特徴的。少なくとも私は、こういうそばを食べたのは初めて。しかし、この食感自体には覚えがある。これは何だっけ……? もう一口すすります。

!!! 冷麺だ!

そうです、キュッと締まったこの感じ、まるで冷麺を彷彿とさせる。これを「コシがある」と表現してよいかは、私にはわからないですが……。

香川県でうどんを食べたとき、「これが本物のコシかぁ~」と納得した経験があります。神戸製麺所の麺は、それとは違った印象を受けました。

うーん、どうだろう。正直、この麺は好き嫌いが分かれると思います。こういう食感は、そば汁よりも、ラーメンスープの方にマッチしそうな気がしました。

汁は優しくマイルドで美味しい。雑味がなく、スッキリとした味わいです。京阪電鉄が経営する駅そば店『麺座』の汁と、非常によく似た印象を受けました。

揚げたてよりも揚げ置きが優る 私の「かき揚げ論」

かき揚げは、揚げたてカリカリタイプではなく、柔らかタイプ。崩して汁に浸して食べるので、それでOK。というか私はむしろ、そば・うどんに載せる場合は、揚げ置きしてフニャッとなった方が好きです。

揚げたてをウリにする駅そば店もありますが、油が抜け切っていないので、必要以上に油が汁に溶け出すのがマイナス。揚げてから時間が経ち、油をしっかり落とした方が、汁に合うのではないでしょうか。特に、この店のような関西汁には。

プハーごちそうさまでした。やはり「麺が特徴的だったなぁ」という感想ですね。みなさんも、自身の舌で確かめてみてはいかがでしょうか。

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五井駅改札内で総菜を販売する『やり田』 絶品の「あさりめし」を購入

駅構内で弁当などを販売する場合、キチンと店舗(建物)を構えるのが一般的です。ところが、千葉県の五井駅では、おもしろい販売形態を見ることができます。写真をご覧ください。

改札内の通路に会議用テーブルを置き、番重(箱みたいなやつ)に入った弁当や総菜を売る。終わったら机を撤去すれば、元通りの通路になると。

路上で弁当販売しているのを見たことありませんか? あんな感じの売り方を駅構内でやっている点が珍しいです。

かなり昔から『やり田』は五井駅で弁当等を販売している

五井駅の改札内で弁当や総菜を販売しているのは、地元・市原市の仕出し業者『やり田』です。五井駅はJRと小湊鉄道の共用駅ですが、どちらの利用者でも買えます。

再掲。ホーム同士を連絡するための橋上通路で販売を行う

写真から、ノスタルジーやレトロという印象を受けたかもしれませんが、その通り。私の記憶が正しければ、五井駅での販売は相当昔からやっているはずです。10年20年じゃないですよ。現在オッサンの私が子どもだった頃、この駅を通ったときに見た記憶があるので。

それが令和の現代でも続いていますから、なんとも偉大ですね。

ちなみに『やり田』、この御時世に自社ホームページの一つも設置していない模様。検索しても出てこないので……。しかし、そこもまたレトロを感じさせちゃうポイントです。

「あさりめし」はモチモチの食感 味付けの塩梅もマル

私が五井駅に到着したのは11時半ごろ。どうやら午前中で営業終了するらしく、あまり商品が残っていませんでした。メンチカツ、切り干し大根の煮物といった総菜が少し。ご飯物は「あさりめし」300円くらいしかなかったため、それを購入。

プラスチックのパックに入っているのが、またチープさを演出して周囲の雰囲気にマッチします。それでは、いただきましょう。

これはうまいっ!

家で作る炊き込みご飯や混ぜご飯とは一線を画した味。まず、モチモチとした食感が非常にいいです。これは炊き加減によるもの? それとも餅米配合? シロウトの私にはわかりません(^^;) とにかく食感がマル。冷めているにもかかわらず。

味付けも私好み。濃すぎず薄すぎず絶妙な塩梅。この私が食レポで「絶妙」などと書くことは、めったにありません(笑)

ご飯の上に載っているのは紅生姜……ではなく、桜大根(漬物)だそうです。視覚・食感・味という三つの要素で良いアクセントになっています。

紅生姜や大根の漬物が添えられている弁当等は多いですが、生姜・大根が有効に働いてるケースって、そう多くないと思うんですよ。しかし、この「あさりごはん」には必要不可欠なパートナーだと思いました。

量もそれなりです。さすがにこれだけでは腹一杯になりませんが、少なすぎて物足りないと感じることもなかったです。小腹を満たすにもよし、他の総菜と組み合わせてもよし。そういう量かと。

ごちそうさまでした。目を引くような派手さはなく、地味な商品ではあります。しかし、中にキッチリと「仕事」が詰め込まれていると感じました。

五井駅はJR内房線に属し、小湊鉄道の始発駅でもある。このローカル線の車内で「あさりめし」を食べたら、より美味さが増すだろう

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名古屋駅ホーム『人類みな麺類』 線路の上で「らーめん原点」を食す

これぞまさに「鉄道グルメ」ではないでしょうか。

2023年現在、JR名古屋駅では、在来線1番ホームの使用が停止されています。単に使用停止になっているのではなく「線路が潰されて」おり、1番線の線路上までホームが張り出しています。

つまり、元は線路上だった空間に足を踏み入れることができるわけ。では、その空間は何に使われているかというと、飲食スペースです。

現在、このホームにはラーメン屋『人類みな麺類』が出店中です。

「Human beings everybody noodles」。全世界は再び麺の下にひれ伏すことになるだろう

1番線の線路だった空間には、椅子と机が置かれ、ラーメンを食べるためのスペースになっています。線路の上でラーメンを味わう。これはおもしろい。鉄道グルメの名に相応しい。

将軍に伝えろ!(将軍?)
予定通りナゴヤに出発すると

『人類みな麺類』のメニューを解説! 3×3の組み合わせからチョイス

まずネタバレしておくと、『人類みな麺類』での飲食手順は以下の通りです。

  1. 店外の券売機で食券を買う
  2. 店内に入って食券を渡し、ラーメンを調理してもらい受け取る
  3. 受け取ったラーメンは、飲食スペースまで持っていき食べる
  4. 店内の返却口に食器を返す

給食の配膳をイメージすると、わかりやすいかもしれません。

さて名古屋駅の在来線ホーム。『人類みな麺類』に到着したところ……

なんだこれは……!
行列が、こんなところまで
一段落したら全て焼き払ってやる

行列すごない? まず、店外に設置されている券売機の前にすでに行列が。そして、食券を買ってからが行列の本番。ラーメンは1分やそこらで素早く提供されるものではないため、食券を持って並んで待つ行列の長いこと。

私は(基本的に)飲食店の行列には並ばない主義なんですが、

このまま進め(はっ?)
聞こえないのか?
このまま進むんだ

はい、進みます。まずは券売機で食券購入。ラーメンは以下の3種類で、値段はどれも同じ。

  • らーめん原点(基本の醤油系)
  • らーめんmacro(貝出汁系)
  • らーめんmicro(ダイナミック醤油?系)

そして、ラーメンに載せるチャーシューの厚さを選びます。このチャーシューの厚さによって、ラーメンの値段が変わります。

  • 薄切り(850円)
  • 厚切り(1,200円)
  • 世界一極厚(1,500円)

3×3の組み合わせからチョイスするのですね。私は「らーめん原点 × チャーシュー薄切り」を選んだので850円。それに煮玉子トッピング(+100円)をつけて、合計950円です。

お盆や割り箸を自分で取って進む お手拭きも忘れずに

では、店内に入るための行列に並びます。店舗入口付近には、お盆・割り箸・お手拭きが用意してありました。

「お手拭きは、食後に机を拭く用も持っていってください」との注意書きが。いちいち店員さんが机を拭きに来るわけではないので、客が自分で拭いてくれと。

お冷や(給水器)とレンゲは、店内に入ったすぐのところにあります。これらも自分で取って進みます。つまり、店員さんから手渡されるのは、ラーメンの入った丼だけということです。まさしく、給食の配膳ですね。

行列に並んで15分後。

いや、いちいち時計を見ていたわけじゃないですよ。名古屋圏では、JR東海が昼間は15分ごとに快速列車を運行しています。目の前の2番線から快速列車がまた発車していったので、15分は経ったんだなぁと。昔の人が時計代わりに鉄道を使っていたってのは、こういうことか(←違う)。

優しい味わいのラーメン 「原点」の名前がピッタリ

ようやく私の番です。店員さんが麺を麺茹で器に投入します。麺を引き上げたあと、麺を傷めないようソフトな動作で、それでいてしっかり湯切りしていました。

チャーシューは切り置きではなく、塊状のものをラーメンができるたびにカットしています。ちょっと待て、いま切ってるのがひょっとして「薄切り」? それ分厚くね? 薄切りでこれだったら「世界一極厚」はどうなるんだ。まさか、塊のままブチ込むんじゃないだろうな(笑)

ラーメンを受け取り、元は線路上だったスペースへ向かいます。席は混んでいませんね。席数は多いですし、ラーメンが作られている間に、前の人が食べ終わるので、オーバーフローすることはないでしょう。

らーめん原点・チャーシュー薄切り・煮玉子トッピング

煮玉子は割られずに入っていましたが、ビジュアル的に映えないので、割りました。それではいただきます。

素晴らしい!
最高の麺だとは思わんかね!?

スープをすすると、鰹の良い香りがします。香味油が浮かべてあり、それに鰹を使用しているとのこと。ただ、そこまで強烈に鰹風味が飛び出してくるわけではなく、あくまで全体の中の一要素としての位置付けです。

麺はやや太めで柔らかく、モチッとしています。うどんのテイストが混ざっているような麺です。細麺ではないので、茹でるのにけっこう時間かかるよ。そりゃ待ち時間が長いわ。

スープとも調和してると思います。そのスープ、何かはわかりませんが独特の甘さがあり、そば・うどんの汁を思わせる部分も。

キレがあるとか強烈なインパクトとか、そういうのとは無縁のラーメンかなと。優しさと素朴さが感じられ、なるほど「原点」の名がピッタリの味わい。かといって、たぶん「いわゆる普通の中華そば」とは違うと思うんですよ。そのあたりが、この店の個性なんでしょう。

さてチャーシュー。崩れるほど柔らかくトロトロに煮てあるバラチャーシューです。

これはこれは
イマイチではないか

うーん、正直ミスマッチ。前述のように、柔らかめの麺・甘さを感じさせるスープ。そこにトロトロのチャーシューだと、埋没してボケている印象が否めません。トロトロではない、輪郭がしっかりしたチャーシューか、あるいは炙るなどした方が、この麺・スープに合うんじゃなかろうか。

不味いわけではないですよ。すごく美味しい。しかし、これはラーメンの具としてではなく、おつまみ等の単品や、ごはんと一緒に食べたいチャーシューだと思いました。適材適所ではない気がします。

メンマは美味い。少し変わった良い香りと、サクッとした歯ごたえが、ラーメンにアクセントを与えてくれてグッジョブ。メンマがいい仕事をしているラーメンって、なかなか見つけるのが難しいと思います。

煮玉子は……正直あってもなくても一緒だ(^^;) それからネギ、こんなに入れなくていいのでは。スープを破壊してるぞコイツ。↓の台詞を思い出しました。

『ラーメン発見伝』第46話より抜粋

ごちそうさまでした。具はちょっといただけない部分が……と思いましたが、名古屋駅ホームに出店してくるだけあって、じゅうぶん美味しいです。ただ、これで950円はコスパ的にどうかなぁ。もし再訪があったら、そのときは別のラーメンを選ぶと思います。

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仙台駅の駅弁「炙りえんがわずし」 エンガワの脂と酢飯の一体感が美味

回転寿司の「好きなネタランキング」の上位に入ってくるのがエンガワです。コリコリ(プチプチ?)とした独特の食感が人気の理由らしい。

そんなエンガワ大好きな諸君に朗報。仙台駅には、「炙りえんがわずし」という、エンガワを思う存分味わえる駅弁があります。今回の記事では、この駅弁を食レポします。

この商品にはカレイ(鰈)のエンガワを使っているそうです。そもそもエンガワとは何か、みなさん知ってますよね? カレイ(鰈)やヒラメ(鮃)、魚体の左右でピラピラしているヒレ。あれの根元の筋肉がエンガワです。↓図の緑で塗った部分。

なんだぁ!? すっげえキモいデザインだな!

「炙りえんがわずし」基本情報

この駅弁を販売するのは、『ウェルネス伯養軒』です(→公式ホームページ)。なんか洒落た社名ですが、創業自体はずいぶん昔の、れっきとした老舗だそうで。

「炙りえんがわずし」の値段は税込み1,600円と少しお高め(2023年現在)。はたして、値段に見合う味なのか?

ところで、エンガワと仙台、特に関係はないと思います。カレイやヒラメの水揚げ量なら、他の県で有名なところがあるし。まあそれを言ったら、牛タンも仙台とは直接関係ないですが。
(宮城県は牛タンの名産地ではない。そもそも牛タンの大部分は輸入)

エンガワと酢飯の一体感 塩・醤油・ライムの味変要素がよい

それでは弁当を開けましょう。

笹の葉に包まれた棒寿司が出現しました。エンガワ・ごはんの白色のところに葉っぱの緑が入ると、視覚的にずいぶん違ってきます。

駅弁なので当然冷めています。にもかかわらずエンガワが脂でテカってるのが、写真でも見て取れると思います。いやいや、こりゃ凄いな。人によっては、「そんな脂まみれの寿司は下品!」などと思うかもしれませんが、

棒寿司なので、上から見ると長方形です。これがかなりデカい。短辺の長さでも、成人男性たる私の人さし指くらいの長さがありました。6切れにカットされていますが、一切れが大きいので「頬張る」ことになるでしょう。

添付の調味料は、塩と醤油の2種類。さらに、寿司の上に載ったライムが特徴的。ライムが入っている駅弁って、他にあるのだろうか。それではいただきます。最初の一切れは塩をつけて。

マジかよ美味い
こんなんアリか!?

もしエンガワだけで食べたら、脂のせいで間違いなくクドい味だと思います。しかし、脂が酢飯でうまく中和されている。口の中でエンガワと酢飯が混ざり合い、美味なる一体感を醸し出すっ。

炙ってあるのがイイですね。活性化という言葉がピッタリ。香りが良くなるし、食べやすくもなる。もし炙ってなかったら、おそらく「大人しい味」に収まってしまい、6切れ食べ終える頃には飽きてしまうのではないでしょうか。

炙りだけではなく、味変要素も見事。最初は塩をつけて食べ、続いては醬油、さらに塩 + ライムを絞って……と変化をつけた食べ方ができるので単調に陥りません。そのおかげで、6切れをペロリと平らげてしまいました。

ごちそうさまでした。繊細なタイプの寿司ではないですが、味に勢いがあって、これはこれでアリだと思います。

一匹から少量しか採れないエンガワはそもそも希少部位

しかし、これだけ大きいエンガワだと、「採取元」の魚体が気になります。

再掲

実際に自分の手で、カレイまたはヒラメを捌き、「これがエンガワかぁ~」と眺めた経験のある人、いますか?

私は魚を捌けるので、見たことありますが、スーパーで販売されている煮付けや唐揚げ用くらいのサイズだと、エンガワは細いものが本当にちょびっとしか採れません。

妻の実家から、「知り合いから刺身で食べられるヒラメを貰ったけど捌けない」と救援要請されたことがあります。まな板からハミ出すサイズでしたが、捌いて「これがエンガワ」と教えたら、「これしかないの?」と驚かれました。そもそもが希少部位なのです。

(ちなみにそのヒラメのエンガワ、どんな味だったか忘れました 笑)

30~40㎝の魚体から徴収できるエンガワなんて、たかが知れています。だから、この「炙りえんがわずし」に使われているエンガワの主は、超巨大なカレイであることは間違いない。

オヒョウという魚のエンガワでしょうか。知ってます? 座布団や畳みたいにバカでかいカレイです。主にカナダやアメリカなどで捕獲 → 日本に輸入されているとか。国内では小樽の水族館で飼育されているので、一度観に行きたいと思っていますが、なにせ遠いもんで(^^;)

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「仙台名物牛たん弁当」 加熱式と七味&漬物のおかげで牛タンが美味しい

Q.仙台名物といえば?
A.牛タン

仙台駅では、牛タンを使った弁当が何種類も売られています。構内の駅弁屋「祭」で売られているのはもちろん、牛タン弁当に特化した店も存在するくらいです。

弁当ごとに、牛タンの味付けや肉の厚みが違います。その中から自分の好みに合った“アタリ”を見つけるのは難しいかもしれません。

しかし、王道──これを買っておけば間違いないと言えるものは存在します。それが今回紹介する「仙台名物牛たん弁当」です。

細かいですが、パッケージには「仙台」ではなく「仙臺」と書かれていますね。ただ、この駅弁を販売する株式会社こばやしのホームページでは「仙台」の表記です。

厚切り・塩味・加熱式が特徴の「仙台名物牛たん弁当」

「仙台名物牛たん弁当」、お値段は税込1,780円(2023年現在)。牛タン駅弁としては、高めの部類に入ると思います。特徴は以下の三点です。

  • タンは厚切りタイプ
  • 味付けは塩ダレ
  • 加熱式

牛タンといえば、ゴムみたいに硬いようでいてキッチリ噛み切れる食感が魅力。それを堪能するには、ペラいよりも厚い方が良いと思います。

味付けは塩ダレ。食感だけでなく、独特な香りも牛タンの特徴。ストレートに塩系統で食すのが個人的には好きです。

そして、一部の駅弁でみられる、ヒモを引き抜くと加熱されてアツアツを食べられるタイプです。弁当容器の底に水と生石灰が入っていて、これらによる化学反応で発熱します。容器の高さの半分以上は、水と生石灰のスペースです。

発熱の仕組みを知りたい方は↓をご覧ください。

この加熱式弁当は、飛行機内への持ち込み禁止品に指定されています。購入時に店員さんから口頭で伝えられますし、パッケージにも表記があります。仙台空港から飛行機に乗る人、もし買っちゃったら搭乗手続き前に食べてください。

ヒモを抜いたら一瞬で熱くなるので注意!

まずはヒモを引き抜いて温めましょう。5~6分待つそうです。実は私、この手の加熱式弁当を買うのは初めて。使い捨てカイロみたいにジワジワ温か

 あっちぃ!!

一瞬で高温になるのな。化学の知識が足りないからこうなる。厚紙のパッケージ包装からの上でも、ハッキリした熱さを感じるくらい熱いです。取扱い時は注意してください。

容器の底では、ボコボコ煮えている感触。シュウゥゥゥと音を出しながら、うっすら水蒸気も出てきました。アポトキシン4869を飲まされた工藤新一が、身体からシュウゥゥゥと白い煙を出しながら「身体が熱い!! 骨が溶けてるみてーだ」というシーンを思い出しました。

「間違いない美味さ」を感じさせる牛タン

数分後、加熱が沈黙した感じなので、包装を剥がしてフタを開けます。

ホカホカの湯気とともに、牛タンの香りが広がりました。食欲と期待がそそられますね。冷たい状態では香りがしぼんでいるので、こうはいかない。では、いただきます。

うん、これは間違いない!

厚切り・塩味・ホカホカ。これで不味いはずがない。もちろん弁当というハンデはあるので、店で食べる牛タンには敵いませんが、じゅうぶん美味いです。

こういう厚切りタイプは、冷たいままではアカンだろうなぁ。加熱式グッジョブです。

肉を噛みしめたときの香りと旨味が、メシを頬張る強力な推進力に変化するっ。牛タンといえば麦飯ですが、この弁当のメシにも、麦が入っています。

七味と漬物が効果的なアクセントになり肉を引き立てる

そして、添えられている小袋の七味と、きゅうり・人参・大根の漬物。彼らが肉を上手く引き立てていますね。

この弁当は、米 + 肉だけで構成された「シンプル・直球系」の内容。悪く言えば単調になりがちなので、最後までいかに飽きさせないかが勝負ですが、七味の刺激と、漬物のポリポリ感がアクセントに効果抜群。

大きな変化を与えてくれるわけではないものの、七味と漬物のおかげで、牛タンを最後の一切れまで美味しく食べられます。

大げさかもしれませんが、もし七味と漬物が入っていなかったら、この弁当の価値は半減すると思いますね。

ごちそうさまでした。先ほど「牛タン駅弁としては高めの部類」と書きましたが、値段に見合ったコスパはじゅうぶん発揮してくれます。どの牛タン弁当を買うか迷ったときは、これを買えば後悔する可能性は低いでしょう。

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「八ヶ岳高原たまごサンド」 美味いが単調なので一切れ食べれば十分

「たまごサンド」というと、どんな作り方をしますか?

ゆで卵を潰してマヨネーズ等と和え、パンに挟む──ほとんどの人が、そうやって作るのではないでしょうか。実際、コンビニ等のたまごサンドも、そうしたものばかりですし。

しかし、山梨県の小淵沢駅等で販売されている「八ヶ岳高原たまごサンド」は違います。マヨたまではなく、分厚い玉子焼きを挟んでいるのです。写真を見てもらった方が早いでしょう。

東京駅改札内の駅弁屋『祭』でも販売しているようだ

この豪快なサンドイッチを食レポするのが、今回の記事です。

「小淵沢の名物は駅弁です」を支える老舗業者『丸政』

「八ヶ岳高原たまごサンド」を販売するのは、山梨県の小淵沢を拠点とする『丸政』。「小淵沢の名物は駅弁です」と言われるほどなのですが、それを担う老舗駅弁業者です。ホームページを眺めると、多彩な駅弁が並んでおり、どれも美味しそう。食べに行きたくなること必至。

小淵沢駅のホームにて

ゲーム『桃太郎電鉄』にも、小淵沢駅には「駅弁屋」の物件が設定されています。それくらい、小淵沢 = 駅弁なのですね。

『桃太郎電鉄16 北海道大移動の巻!』より

輪郭がしっかりしており甘めの厚焼き玉子 その存在感が突き抜ける

その『丸政』が製造する「八ヶ岳高原たまごサンド」は、直球勝負のサンドイッチ。こだわりの厚焼き玉子をパンで挟んだだけという、超シンプルな構成です。お値段は、税込み800円(2023年現在)。

たまごサンドは、同じものが三切れ入っています。玉子焼きの厚みは、成人男性である私の親指の太さくらいありました。こういうサンドイッチは見たことがなく、期待が膨らみますね。それではいただきましょう。

おお美味い
ずっしり来る

見た目だけでなく、実際に頬張ってみても、厚焼き玉子の存在感が突き抜けてきました。「俺はサンドイッチではなく厚焼き玉子を食べているぅぅぅ!!」と思わされます。

ボリューム感もなかなか。

玉子は、だし巻き系統ではないです。フワフワや半熟でもありません。しっかり輪郭があって、硬さや重量感がある、ザ・玉子焼きという印象。しかし、火が通りすぎてパサついて……ということは全然ありません。しっとり感が残っており、甘めの厚焼き玉子。

パンが薄いから、余計に厚焼き玉子が目立ちますね。もはやパンは、玉子を手で触らずに済ませるための、包装的な役割なのかもしれません(笑)

パンに厚焼き玉子を挟んだだけの単純な構成ですが、これを家で作ろうと思ったら難しいでしょう。製造者のワザが光るユニークな駅弁です。

一切れ食べれば満足 味に変化がないので二切れ目からは飽きる

──ところが、一切れ目を平らげ、二切れ目に突入したとき、私は「あれっ?」と思った。

最初ほど美味いと感じない……

うーん、これはアレだ。美味しいけど、味が単調なせいで飽きてくるやつだ(^^;)

このたまごサンド、パン + 厚焼き玉子だけで構成したシンプルの極みとも言える駅弁です。しかし、三切れとも同じもので味に変化がない。アクセントになるような付け合わせも入っていない。

もちろん、そのシンプルさで勝負するのが、この駅弁のコンセプトです。しかし、こうシンプル一辺倒だけで攻められては、口飽きするのが人間というもの。

そして前述のように、甘い系の味なので、そういう観点でも一切れ食べれば満足してしまうことに気付きました。ようするに、たくさん食べて美味しいものではない。

三切れ目は、残念ながら「腹に詰め込む作業」になってしまいました。こうなると、分厚さも逆に仇になっています。

誤解のないよう言っておきますが、味は良いですよ。混じりっ気なしの、直球の美味しさであることは間違いない。ただ、いくら160㎞/hのストレートでも、ド真ん中に3球続ければ、さすがに目が慣れて打たれるよね、という話。変化という要素が欲しいです。

2人以上でのシェアや他のサンドイッチ等と合わせるならオススメ

ここで強く主張しておきたい。「単体としての美味しさ」と「全体としての美味しさ」は別である、と。

たとえば寿司屋に行ったとき、タイ・スズキ・ヒラメ……のように白身魚ばかり食べ続けて、「あ~美味しかった」と感じる人は、あまりいないはずです。

もちろん「単体として」は、どの白身魚も美味しい。しかし、マグロやカツオなど味の濃い赤身、エビやイカ、光り物なども食して変化をつけることで、「全体として」満足感を作り上げるのが寿司ではないでしょうか。

食事の組み立て方・構成。そう表現してもいいです。大袈裟ですが(笑) そのあたり、このたまごサンド単独で食べた場合は微妙かなと……。

というわけで、「一人で・このたまごサンドだけを食べる」というシチュエーションは避けた方がいいと思いますね。逆に言うと、次のような場面ではオススメできます。

  • 2人以上でシェアする
  • 他のパンやサンドイッチと一緒に食べる(=たまごサンド一辺倒にならない)

食べる側(客側)が少し気を付けないといけない商品だと思います。

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名鉄金山駅『かどや』 麺類以外に酒やつまみも豊富な「ホーム上の飲み屋」

ホーム上の御食事処といえば、その大半が、立ち食いそば・うどんを提供する「麺処」です。そういう店では、プラスアルファとしてアルコール類を提供していることが少なくありません。

ようは立ち飲み屋として使えるわけです。が、選べる酒はビールとレモン酎ハイくらいで、おつまみも数種類あれば良い方でしょう。

ところが、本格的に酒が飲める方向にガッツリ寄せている店もあります。それが、愛知県は金山駅(名古屋鉄道)のホーム上にある『かどや』です。

ちょうど名鉄の最新車両が来たので一緒に撮影

一通り揃った酒に多種なおつまみ お手頃感も魅力的

『かどや』は名古屋らしく、きしめんを軸に据えた麺処です。しかし、この店が持つもう一つの顔は、まさしくホーム上の飲み屋。ビールはもちろん、日本酒・酎ハイ・芋焼酎・麦焼酎・ハイボールと一通り揃っています。

酒だけではなく、おつまみも充実。市中の居酒屋よろしく、壁にメニューがぺたぺた貼られています。

  • 唐揚げ
  • いわしの竜田揚げ
  • 野菜コロッケ
  • 牛肉コロッケ
  • ハムかつ
  • チキンカツ
  • 串カツ
  • アジフライ
  • イカの天ぷら
  • 焼き鳥
  • 枝豆
  • 冷やっこ

これらのメニューが、100~200円台の価格帯で食べられます。気取らない感じのメニュー、お手頃なお値段。ホームの立ち飲み屋という要素と相まって、庶民的な雰囲気バリバリです。

メニューは他にもありました。カウンター上には、お惣菜の小鉢がラップを掛けられて、たくさん置かれています。さらに、おでんまで。コンビニ同様、什器に入った状態で、お客さんから指名されるのを待っています。調理台には、煮物が入っていると思しき鍋も複数。ホーム上の店でこれはすごいな。

私が入店したのは真っ昼間にもかかわらず、飲んでいる人が複数。ようし、私もその輪の中に加わり

ませんでした

普通に昼メシ食べに入っただけなので……。いやまあ、一杯くらい呑んでもよかったかもしれませんが、たぶん一杯では終わらない(^^;) 酔っ払ってこの後の行程に支障が出たらアレですし。

つゆと麺がマッチしたきしめんは美味い 満足感もじゅうぶん

私が注文したのは、きしめん + ミニ丼 + 小鉢のランチセット700円。麺 + 丼のセットはよくありますが、これに小鉢が付くのが嬉しい。券売機はなく、カウンターで店員さんに口頭で注文する仕組みです。

注文を受けた店員さんが調理に取りかかります。あれ? まだカネを払わなくていいのか?

まず、きしめんと小鉢のポテトサラダ、さらに漬物が到着。小鉢はたぶん日替わりでしょう。きしめんはオーソドックスなタイプで、ねぎ・かつお節・油揚げ・かまぼこがトッピングされています。

うん、美味いです。濃厚なつゆと麺がよくマッチしています。上を覆った鰹節の香りで、するすると食が進む。きしめんといえば名古屋駅ホームの店が有名ですが、この店の味も負けてないと思います。油揚げがとても甘く味付けされており、途中で食べると、いい感じのアクセントになってくれて、単調さを回避できます。

きしめんを半分くらい食べ進めたところで、ミニ味噌カツ丼が登場です。この、メニューが全部揃ったタイミングで代金を請求されました。

味噌カツを米と一緒に口へ放り込みます。あぁ~名古屋の味噌ダレだ。ミニ丼なので量は少ないですが、ポテトサラダも付いているので、トータルでの満足感はじゅうぶんです。

「ごちそうさまでした」と言ったら、「ありがとうございました! またお願いします! お気をつけて!」とオバチャンが元気よく返してくれました。退店時に気持ち良い接客をしてもらえると、好感度がグッと上がりますね。

酒をかっくらうオジサンたちを羨ましそうに眺めながら、私は店を出ました。昼間から駅ホームで飲んで酔っ払う。背徳感ありそうな行為ですが、だからこそ一度はやってみたいなぁ。

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